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家族信託の受託者は誰にする?条件・役割・選び方

  • 投稿:2026年10月15日
家族信託の受託者は誰にする?条件・役割・選び方
この記事の要点

家族信託の受託者とは、委託者から財産を預かり、信託契約で定めた範囲で管理・運用・処分する中心的な存在です。18歳以上で判断能力があれば資格なく誰でもなれますが、法律上の重い義務を負います。

  • 受託者には司法書士などの資格は不要で、18歳以上で判断能力があれば基本的に誰でもなることができます。
  • 信託法では未成年者は受託者になれないと定められており、個人のほか一般社団法人や同族会社も受託者にできます。
  • 受託者は信託財産と個人財産を分ける分別管理義務を負い、毎年1回は受益者へ財産状況を報告する義務があります。
  • 受託者が義務違反で信託財産に損失を与えた場合、損失てん補責任を負い、個人財産から賠償することもあります。
  • 信託財産から生じる収益の合計が年3万円を超える場合、受託者は信託計算書を税務署へ提出する必要があります。

家族信託の要となる受託者について、委託者・受益者との違い、なれる人の条件、管理義務や報酬・税務、死亡時の対処までやさしく解説。札幌で受託者選びに迷う方必見です。

はじめに:家族信託で最も重要な「受託者」をやさしく解説

家族信託を検討するとき、多くの方が最初につまずくのが「誰に財産管理を任せればよいのか」という点です。この役割を担うのが受託者であり、家族信託の仕組みの中心となる存在です。

この記事では、受託者とは何か、なれる人の条件、具体的な仕事や義務、報酬や税務、万一死亡したときの対処までを順にご説明します。札幌・北海道で家族信託を考えている方が、受託者選びで迷わないための判断材料としてお役立てください。

家族信託における受託者とは?委託者・受益者との違い

家族信託は、財産を持つ人が信頼できる家族などに管理を託す仕組みです。その登場人物は大きく三者に分かれており、それぞれの立場を理解することが第一歩になります。

委託者・受託者・受益者の三者の役割と立ち位置の違い

家族信託には委託者・受託者・受益者という三者が登場します。委託者は財産を預ける人、受託者は財産を預かって管理する人、受益者はその財産から利益を受け取る人です。

三者の関係を整理すると、次の図のようになります。それぞれの立ち位置を押さえておくと、信託契約の全体像がつかみやすくなります。

受託者・委託者・受益者の三者の役割と立ち位置の違い

多くの家族信託では、委託者と受益者が同じ人(たとえば親本人)になります。これにより、親の財産を子が管理しながらも、その利益は親のために使われるという形が実現できます。

受託者は家族の財産を預かり管理する中心的な存在

受託者は、委託者から託された財産を実際に管理・運用・処分する役割を担います。預金の管理や不動産の修繕、場合によっては売却まで、信託契約で定められた範囲で財産を動かす権限を持ちます。

つまり受託者は、家族信託が機能するかどうかを左右する中心的な存在です。だからこそ、誰を受託者にするかは慎重に検討する必要があります。

受託者になれる人・なれない人の条件

受託者には重い責任が伴いますが、就任のための特別な資格が必要なわけではありません。ここでは、誰が受託者になれるのか、逆になれない人や避けるべき人について整理します。

18歳以上なら資格不要|基本的に誰でもなれる

受託者になるために、司法書士や税理士のような資格は必要ありません。18歳以上で判断能力があれば、基本的には誰でも受託者になることができます。

そのため、多くの家族信託では子や甥・姪など、身近な家族が受託者になるのが一般的です。資格が不要である一方で、後述する重い義務を負う点には十分な理解が求められます。

未成年者などなれない人・避けるべき人

信託法では、未成年者は受託者になれないと定められています。また、資格上は問題なくても、実際には避けたほうがよい人もいます。

たとえば、高齢で管理が長期間続けられない方や、浪費傾向があり財産管理に不安がある方は適任とはいえません。信託は長期にわたることが多いため、健康状態や信頼性を含めて慎重に判断することが大切です。

法人(一般社団法人・同族会社)を受託者にする選択肢

受託者は個人だけでなく法人にすることもできます。信託のために設立した一般社団法人や、同族会社を受託者とする方法です。

法人を受託者にすると、個人のように死亡によって受託者が不在になるリスクを避けられます。財産規模が大きい場合や、長期かつ複数世代にわたる承継を想定する場合に検討される選択肢ですが、設立・運営の手間や費用がかかる点には注意が必要です。

親族・第三者など誰に頼むのが現実的か

現実的には、子をはじめとする親族が受託者になるケースがほとんどです。日常的に財産管理ができ、家族の事情を理解している点で適しているためです。

なお、司法書士などの専門職が受託者になることは、営利目的の受託が制限されるため基本的にできません。専門職は受託者そのものではなく、信託の設計や契約書作成、受託者のサポート役として関わるのが一般的です。

受託者の仕事内容・義務・法的責任

受託者は財産を自由に扱えるわけではなく、信託法と信託契約に基づいた多くの義務を負います。ここでは、受託者が実際に行う業務と、法律上求められる責任を具体的に見ていきます。

信託財産の管理・運用・処分という具体的な業務

受託者の中心的な仕事は、信託財産の管理・運用・処分です。預金の入出金管理、不動産の維持管理や賃貸、必要に応じた売却などが含まれます。

これらの業務は、あくまで信託契約で定められた目的と範囲の中で行います。受益者のために財産を活かすことが受託者の役割であり、自分の判断だけで自由に処分できるわけではありません。

自分の財産と分ける「分別管理義務」

受託者には、信託財産と自分個人の財産を明確に分けて管理する分別管理義務があります。両者が混ざってしまうと、財産の区別がつかなくなりトラブルの原因になります。

預金については、後述する信託口口座を用いて管理するのが望ましい方法です。不動産についても、信託の登記を行うことで信託財産であることを明確にします。

帳簿作成・報告・保存の義務

受託者は、信託財産の状況を記録する帳簿を作成しなければなりません。また、毎年1回、一定の時期に財産の状況をまとめた書類を作成し、その内容を受益者へ報告する義務があります。

また、作成した帳簿や関連書類は一定期間保存しなければなりません。日々の記録をきちんと残しておくことが、後々のトラブル防止と信頼維持につながります。

善管注意義務・忠実義務・公平義務などの注意義務

受託者には、いくつかの重要な注意義務が課されています。代表的なものとして善管注意義務、忠実義務、公平義務があります。

善管注意義務は、一般的に期待される注意をもって財産を管理する義務です。忠実義務は受益者の利益を最優先に行動する義務、公平義務は受益者が複数いる場合に公平に扱う義務を指します。これらは受託者が財産を私的に利用することを防ぐための重要なルールです。

義務違反で負うリスクと損失てん補責任

受託者がこれらの義務に違反し、信託財産に損失を与えた場合、その損失を補う損失てん補責任を負うことがあります。場合によっては個人の財産から賠償する必要も生じます。

家族間の信託だからといって責任が軽くなるわけではありません。受託者になる方は、こうした責任の重さを事前にしっかり理解しておくことが大切です。

受託者の報酬・税務・信託口口座の実務ポイント

受託者の実務では、報酬の扱いや口座の準備、税務上の注意点など、事前に押さえておきたいポイントがあります。ここでは実務面で迷いやすい点を整理します。

受託者に報酬を支払うべきか・報酬の考え方

受託者への報酬は、必ず支払わなければならないものではありません。家族信託では、子などが無報酬で受託者を務めるケースも多く見られます。

ただし、信託契約で定めれば報酬を設定することもできます。管理の負担が大きい場合や、兄弟間の公平を保ちたい場合などに検討されますが、金額は財産規模や業務量に見合った範囲で定めるのが現実的です。

信託口口座の開設が必要な理由と注意点

分別管理を確実に行うため、信託専用の信託口口座を開設することが望まれます。これにより、信託財産である預金と受託者個人の財産を明確に区別できます。

信託口口座は、受託者が死亡しても口座が凍結されにくいなどのメリットがあります。ただし、開設に対応している金融機関は限られているため、契約前にどの金融機関で開設できるかを確認しておくことが大切です。

受託者が注意すべき税務(贈与税・所得税申告)

家族信託では、委託者と受益者が同じであれば、信託の設定時に贈与税は原則かかりません。一方で、委託者と受益者が異なる場合には贈与税の対象となることがあるため注意が必要です。

また、信託財産から生じる収益(家賃収入など)の合計が年3万円を超える場合、受託者は信託計算書を税務署へ提出する必要があります。所得税の申告は受益者が行うのが基本ですが、こうした手続きは税理士と連携して進めると安心です。

受託者が死亡・辞任・解任したときの対処と選び方

家族信託は長期にわたることが多いため、受託者に万一のことがあった場合への備えが欠かせません。ここでは、受託者が続けられなくなったときの対応と、失敗しない選び方を解説します。

受託者が死亡・病気・辞任・解任した場合の流れ

受託者が死亡したり、病気で職務を続けられなくなったりすると、財産管理が滞るおそれがあります。受託者の地位は相続されないため、あらかじめ定めた後継者がいなければ対応が必要になります。

受託者本人が辞任する場合や、義務違反などにより解任される場合もあります。いずれのケースでも、新たな受託者を速やかに決められるよう、契約で手順を定めておくことが重要です。

後継受託者を契約であらかじめ決めておく重要性

こうした事態に備えるため、信託契約で後継受託者を定めておくことが強く推奨されます。最初の受託者が続けられなくなっても、次の受託者がスムーズに引き継げるためです。

後継受託者を決めていないと、家族で協議したり、裁判所の関与が必要になったりと、手続きが煩雑になります。第二順位・第三順位まで定めておくと、より安心です。

受託者選びで失敗しないためのチェックポイント

受託者選びでは、信頼性だけでなく実務を担えるかどうかも重要です。次の点を確認しておくと、後悔のない選択につながります。

受託者選びで失敗しないためのチェックポイント

特に見落とされがちなのが、他の親族の理解です。一人に財産管理を任せることへの不公平感がトラブルを招くこともあるため、事前に家族で話し合っておくことが望まれます。

【独自】札幌・北海道での受託者選定と道外親族が受託する場合の注意点

札幌・北海道では、子世代が首都圏など道外に住んでいるご家庭も少なくありません。その場合、道外に住む子を受託者にすると、不動産の管理や金融機関の手続きで物理的な距離が課題になることがあります。

遠方に住む親族が受託者になる場合は、信託口口座をどの金融機関で開設するか、不動産の管理をどう行うかを具体的に検討しておく必要があります。オンラインや郵送で対応できる体制を整えておくと負担を軽減できます。

司法書士法人中央ライズアクロス札幌支店は、札幌を拠点に北海道全域をサポートしています。LINEやメールを活用した柔軟なやりとりにも対応していますので、道外にお住まいのご家族が受託者になる場合も、まずはご相談ください。

まとめ:受託者選びに迷ったら司法書士法人中央ライズアクロス札幌支店へ

受託者は家族信託の中心を担う存在であり、誰を選ぶかによって信託がうまく機能するかどうかが大きく変わります。18歳以上なら資格は不要ですが、管理・報告義務や損失てん補責任など、重い責任を負う点を理解しておくことが大切です。

さらに、報酬や信託口口座、税務の扱い、後継受託者の設定など、実務面で検討すべきことは多岐にわたります。ご家庭の事情に合った設計には専門家の助言が欠かせません。

司法書士法人中央ライズアクロス札幌支店では、時間無制限の初回相談でじっくりお話をうかがい、高齢の親の資産管理や将来の相続に備えて、オーダーメイドで信託契約を設計します。札幌・北海道で家族信託の受託者についてお悩みの方は、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

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