事例の背景
I.L様は、夫に先立たれた後、ご自宅の不動産を自分名義に変更する必要がありました。ところが戸籍を調べると、相続人の中に「亡き父の後妻の孫」にあたる方が代襲相続人として含まれていることが判明。全く面識のない人物であり、どのように連絡を取ればよいのか見当もつかず、不安でいっぱいになっていました。さらに「相手が協力してくれなかったら、名義変更ができないのではないか」との心配も重なり、自分だけで進めるのは難しいと感じていたのです。ご自身の年齢も考慮し、信頼できる知人に付き添われて当事務所へご相談くださいました。
当事務所からのご提案
ご相談を受けた際、I.L様が最も不安に感じていたのは「知らない代襲相続人とのやり取り」でした。そこで当事務所では、以下のような具体的なサポート方針をご提案しました。
- 戸籍の徹底調査と相続人関係の明確化
除籍謄本・改製原戸籍を含め、必要な戸籍をすべて収集。代襲相続人の有無を法的に確認し、相続関係説明図を作成することで、誰が相続人になるのかを視覚的に整理しました。 - 代襲相続人への丁寧な連絡と説明
直接の面識がなくても、相続人に手続きを理解してもらうことは不可欠です。当事務所が代理人として手紙を作成し、相続が発生した経緯や必要な手続きを丁寧に説明。必要に応じて電話連絡も行い、誤解や不安を解消しました。 - 公平性を重視した遺産分割協議書の作成
相続人全員に納得してもらえるよう、財産の範囲と分割内容を分かりやすく整理。協議書の案を複数提示し、最終的に全員が署名・押印できる形に整えました。 - 依頼者への心理的サポート
高齢での相続手続きは、不安や負担を強く感じる方が多いものです。I.L様には、進捗ごとに状況を報告し、「次に何を行うのか」を常に明確にお伝えしました。知人の方とも連携し、安心して任せていただける環境を整えました。 - 相続登記のスピーディーな申請
協議書が整い次第、法務局に相続登記を申請。申請完了後は登記事項証明書を取得し、名義がご本人のものに変更されたことを確認しました。
このように、「法的に正確な調査」「相続人への誠実な対応」「依頼者の不安軽減」の3つを柱にした提案を行うことで、I.L様にも安心感を持っていただきながら、無事に手続きを終えることができました。
解決までの流れ
- 戸籍謄本・除籍謄本を収集し、代襲相続人の存在を確認
- 相続関係説明図を作成し、全体像を依頼者に説明
- 代襲相続人に文書で丁寧に連絡し、協力を依頼
- 相続人全員の合意を得たうえで遺産分割協議書を作成
- 法務局へ相続登記を申請し、無事に名義変更を完了
結果
- 面識のない代襲相続人とも合意形成に成功
- 遺産分割協議書を整備し、将来的なトラブルを回避
- 高齢の依頼者でも負担なく、安心して相続登記を完了できた
お客様の声
「まったく知らない人が相続人に含まれていると分かったときは、本当にどうしていいのか分からず、不安で眠れない日もありました。もし協力してくれなかったら、家の名義を変えられないのではと心配でした。
でも、司法書士の先生が一から戸籍を調べてくださり、手紙で丁寧に説明してくれたおかげで、その方ともスムーズに連絡が取れました。私は直接やり取りをする必要がなく、本当に安心できました。
説明もとても分かりやすく、進捗をその都度知らせていただいたので、不安を感じることなく最後まで手続きを進めることができました。知人も一緒に相談に来てくれましたが、先生が親身になって対応してくださったので、私自身も気持ちが楽になりました。
自分一人では絶対に無理だったと思います。先生にお願いして本当に良かったです。これで安心して暮らしていけます。心から感謝しています。」