事例の背景
L.L様は、ご自身の体調と年齢を踏まえ「手術の前に、自分の思いを確実に形にしておきたい」と考えておられました。すでに自筆証書遺言を準備していましたが、ネットで調べただけの知識で作成したものであり、「このままでは無効になるのでは」「寄付の部分が本当に実現できるのか」と強い不安を抱えていました。入院まで時間が限られていたため、「今すぐ専門家に確認してほしい」との思いで当事務所にご来所くださいました。
当事務所からのご提案
ご相談を受けた際、何よりも優先すべきは「時間の制約の中で不安を解消すること」でした。当事務所では次のような提案・対応を行いました。
- 即日でのリーガルチェック
面談当日に遺言書を確認。全文自筆・日付・署名押印といった基本的な形式要件を満たしているかをその場でチェックしました。 - 曖昧な表現の修正
「財産を寄付する」といった抽象的な記載では実現性に乏しいため、寄付の対象・内容を明確に記載する形に修正案を提示しました。 - 札幌市への寄付の実現可能性を確認
自治体が寄付を受け入れる際の手続きや方法について調査し、依頼者に情報提供。寄付の意思が確実に実現されるよう、具体的な文面に落とし込みました。 - 遺言執行者の指定
実際に遺言を執行する段階でスムーズに手続きが進むよう、遺言執行者を明記することをご提案しました。これにより、将来的に相続人や受遺者が手続きで困らない体制を整えました。 - 将来を見据えたアドバイス
今回は時間的制約から自筆証書遺言での対応となりましたが、体調が落ち着かれた際には、公正証書遺言を検討する選択肢についてもご案内しました。
これにより、限られた時間の中でも「法的に有効で、依頼者の思いを確実に残す遺言」に整えることができました。
解決までの流れ
- 面談を即日で設定
- 自筆証書遺言の形式要件を確認
- 曖昧な表現を修正し、札幌市への寄付を明確に記載
- 遺言執行者を指定し、将来の執行を円滑化
- 入院前に遺言を完成
結果
- 限られた時間の中で、不安のあった遺言を有効な形に整備
- 札幌市への寄付希望を具体的に盛り込み、意思を確実に残せた
- 遺言執行者を指定したことで、将来の手続きも安心
- 入院前に心配を解消し、大きな安心を得られた
お客様の声
「大きな手術を控えていて、“もしものときにどうなるのか”と不安で仕方ありませんでした。自分で書いた遺言が本当に有効なのかも分からず、このまま入院するのは怖かったです。
先生に相談したら、その日のうちに遺言を確認してくださり、法的に必要な部分を一つひとつ丁寧に教えてくれました。曖昧な表現を直してもらい、札幌市に寄付したいという希望もきちんと形にできたので、本当に安心しました。
さらに、遺言執行者を指定することや将来の選択肢についても教えていただき、これからのことまで見通しを持てました。入院までに準備が整い、ようやく心の重荷が下りました。先生にお願いして本当によかったです。心から感謝しています。」