事例の背景
お父様が亡くなられたのは約20年前。当時は手続きの煩雑さや家庭の事情もあり、相続登記は後回しになったまま長期間放置されていました。ところが、近年になり金融機関や役所から「名義変更をしてください」と案内されるようになり、加えて相続登記義務化の報道を知ったことで、「このままでは不利益が生じるのではないか」と大きな不安を抱かれました。
インターネットで情報収集を試みたものの、戸籍の収集や協議書の作成、法務局への申請など自力での対応には限界を感じ、兄弟間で話し合いがまとまった段階で「専門家に一括で任せたい」と決断し、当事務所にご依頼いただきました。
当事務所からのご提案
本件では「長期未了の相続登記」と「兄弟間の合意形成」の両方に対応する必要がありました。当事務所では、次のような流れでご提案・対応しました。
- 戸籍収集と相続人確定
被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集し、相続関係説明図を作成。長期間放置されていたため戸籍の数も多くなりましたが、正確性を第一に整理しました。 - 兄弟間の合意形成サポート
不動産を共有にするか単独名義にするかを中心に協議をサポート。共有名義では将来的に再び手続きが煩雑になる可能性があるため、メリット・デメリットを丁寧に説明した上で、最終的に依頼者が単独相続する形で全員の同意を得ました。 - 不動産の相続登記申請
アパート2棟について管轄の異なる複数の法務局へ相続登記を申請し、名義変更を完了させました。 - 金融機関での預貯金解約手続き
複数行にわたる口座について必要書類を一括整備し、署名・押印もスムーズに取りまとめました。依頼者が何度も窓口に足を運ぶ負担を避けられるよう配慮しました。 - 相続税の確認と税務リスクの回避
税理士に財産評価を依頼し、課税対象に該当しないことを確認。不要な申告を避けつつも、税務リスクが残らないよう整理しました。 - 進捗共有と安心感の提供
各工程ごとに依頼者へ状況を報告し、「今どの段階なのか」を明確に共有。不安を抱えることなく安心して任せていただけるよう徹底しました。
解決までの流れ
- 戸籍の収集と相続関係説明図の作成
- 相続人間での協議をサポートし、単独相続で合意
- アパート2棟について相続登記を申請し、名義を整理
- 預貯金の解約手続きを金融機関ごとに代行
- 税理士と連携し、相続税の有無を確認(課税対象外と判明)
結果
- 20年間放置されていた相続登記を無事に完了
- 預貯金も含め、すべての相続手続きをワンストップで対応
- 兄弟間の合意形成を丁寧に支援し、トラブルなく手続きを完了
- 不動産の活用や将来の売却に向けて前向きに準備できる状態に
お客様の声
「20年も放置していた手続きがようやく終わり、ホッとしています。兄弟と揉めることなく進められたのが一番ありがたかったです。
不動産の名義が自分のものになったことで、これからの活用について具体的に考えられるようになりました。銀行の手続きも含めてすべて一括でお願いでき、必要最小限の手間で済ませられたのは本当に助かりました。
特に、共有名義にした場合と単独名義にした場合の違いを丁寧に説明していただけたので、納得したうえで選択できました。何度も状況を報告してくれたことで安心して任せられましたし、信頼できる事務所だと改めて感じました。これで肩の荷が下りたように思います。」