事例の背景
お父様の死去により日本国内の相続手続きが必要となりましたが、Y.I様はイタリア在住であり、日本の法律や制度に触れる機会がほとんどありませんでした。金融機関や役所の案内も日本語のみで、言語面・距離面で大きな不安を抱えていたとのことです。さらに、お母様は札幌に、兄弟は大阪に住んでおり、物理的な距離が協議を一層難しくしていました。
「母の生活の安定のためにも早めに登記を終えたいが、自分では何から始めて良いか全く分からない」との思いから、海外対応に実績のある司法書士を探され、当事務所へご相談いただきました。
当事務所からのご提案
本件では、海外在住者ならではの課題を解決しつつ、日本国内の相続人との調整も同時進行で進める必要がありました。当事務所からは以下の方針をご提案しました。
- 手続き全体のスケジュール可視化
初回面談後、全体の流れをまとめたスケジュール表を作成し、Y.I様と共有。海外からでも安心して進行状況を把握できる体制を整えました。 - 戸籍・住民票の代理取得と相続人確定
被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集し、相続関係説明図を作成。Y.I様が日本に戻ることなく、手続きが進められるよう代理で対応しました。 - 代襲相続や遺産分割協議への対応
お母様・ご兄弟との調整を丁寧に行い、合意形成をスムーズにサポート。遺産分割協議書を作成し、署名・押印の案内も分かりやすくご説明しました。 - 海外在住者特有の手続きへの対応
イタリアで取得する必要がある「サイン証明書」や関連書類について、現地での取得方法や注意点を具体的に解説。国際郵便を活用し、往復回数を減らして効率的に進めました。 - 登記申請から証明書送付までの一括対応
すべての書類が整った段階で法務局へ相続登記を申請。完了後は登記事項証明書を依頼者へ送付し、日本国内に戻らずにすべての手続きを完了できるよう整えました。
解決までの流れ
- 被相続人の戸籍・住民票などを代理収集
- 相続関係説明図・遺産分割協議書を作成
- 国内相続人と調整し、署名・押印を取りまとめ
- イタリアでのサイン証明書取得をサポート
- 国際郵便を活用し、書類の往復回数を最小限に調整
- 法務局にて相続登記を申請し、登記事項証明書を依頼者へ送付
結果
- 海外在住でも日本に戻ることなく相続登記を完了
- 国内外の相続人全員の同意形成をスムーズに実現
- 書類のやり取りを最小限にし、時間・費用の負担を軽減
- ご家族全員が安心できる形で不動産の名義を整理
お客様の声
「海外に住んでいる私にとって、日本の相続手続きは本当に未知の世界で、不安でいっぱいでした。そんな中、全体の流れを分かりやすく示していただき、進捗をこまめに知らせてもらえたので、安心して任せることができました。
特に、イタリアで必要な書類の取り方まで丁寧に説明してくださり、無駄な手間をかけずに済んだのは本当に助かりました。母や兄弟にも分かりやすく説明していただけたので、家族間の話し合いもスムーズに進められました。
最初は『海外から相続なんてできるのだろうか』と半信半疑でしたが、実際に無事に登記が終わり、大きな安心を得られました。信頼できる事務所にお願いできて本当に良かったです。」