事例の背景
J.L様は一人暮らしで、判断力が低下した後の生活費管理や病院手続き、預貯金の払い戻しに強い不安を抱えていました。インターネットで任意後見制度や信託について調べたものの、専門用語が多く「正しい仕組みを作れるか不安」「かえって家族に迷惑をかけるのでは」と感じるように。
そこで「制度に詳しい第三者を間に入れて、妹や孫にきちんと説明したうえで、みんなが納得できる形に整えたい」と考え、当事務所へご相談くださいました。
当事務所からのご提案
ご相談内容を整理したうえで、次のステップをご提案しました。
STEP1 任意後見契約の設計と公正証書化
妹様を任意後見人に指定し、生活費管理や病院手続きといった日常的なサポートを担えるように設計。契約は公正証書で作成し、将来の法的有効性を担保しました。
STEP2 信託契約による財産管理と承継設計
預貯金の一部を信託財産として切り出し、孫様を受託者に指定。これにより、生活資金の管理から将来の承継までをスムーズに進められる仕組みを整備しました。
STEP3 家族間の合意形成のサポート
妹様・孫様と共に打ち合わせを行い、役割分担や責任範囲を明確化。第三者である当事務所が調整役となることで「頼む側も任される側も安心できる形」に落ち着けました。
STEP4 将来トラブルを防ぐ契約条項の工夫
契約書には、定期的な報告義務・費用の精算方法・受託者が交代する場合の取り決めなど、将来を見据えたルールを盛り込みました。これにより「契約が形骸化しない仕組み」が確保されました。
STEP5 ロードマップの作成による見える化
契約の効力が発動する時期や今後の流れをまとめたロードマップを作成。ご本人・ご家族全員が「今後の見通し」を共有できるようにしました。
結果
- 任意後見契約と信託契約を組み合わせることで、生活支援と財産承継の両面をカバー
 - 妹様・孫様とも合意形成ができ、安心して役割を担える体制を整備
 - 将来のトラブルを予防する契約書により、持続的に機能する仕組みを確保
 - ご本人の不安が解消され、安心して日常生活に専念できる環境を実現
 
お客様の声
「年齢を重ねるにつれて、将来判断力が落ちたらどうなるのかと考えるようになり、不安で眠れない日もありました。妹や孫に迷惑をかけたくないと思う一方で、頼れるのもまた家族しかいない。その葛藤の中で、自分なりに調べても難しい言葉ばかりで、かえって混乱してしまっていました。
こちらに相談してからは、私の希望を丁寧に聞き取ってくれ、任意後見契約と信託契約を組み合わせれば安心できると分かり、胸のつかえが取れました。契約を進める過程で妹や孫ともきちんと話し合えたことも大きな収穫です。みんなが納得できる形に整ったので、将来への不安がぐっと減りました。
公正証書でしっかり契約を整えたことで、法的にも確実だと理解でき、今は本当に気持ちが楽になりました。もし自分一人で中途半端に進めていたら、家族に迷惑をかけていたと思います。今回お願いして本当に良かったです。同じように将来が不安な方は、早めに専門家に相談してほしいと思います。」