事例の背景
H.S様は「相続登記は3年以内に済ませなければならない」という話を耳にし、不安を感じてご自身で調べ始めました。ところが、相続登記の手順は複雑で、戸籍や権利証、評価証明など多くの書類が必要になることがわかり、途中で手が止まってしまいました。さらに、ご自宅に不動産の権利証も残っておらず、「そもそもどのように不動産の所在を確認すればよいのか」という基本的なところから困ってしまったそうです。
「これ以上ひとりで進めるのは難しい」と感じられ、専門家に相談することを決められました。
当事務所からのご提案
札幌市北区にお住まいのH.K様は、施設で暮らすお父様の今後を心配していました。最近は物忘れも増え、「もし認知症が進んでしまったら、財産管理や契約手続きができなくなるのでは」と不安を感じていたそうです。
特に父名義の自宅については「元気なうちに自分へ名義を移しておきたい」と考えていましたが、贈与登記や贈与税の制度が複雑で、どのように進めれば良いのか分かりませんでした。
インターネットで調べても断片的な情報しか得られず、誤った手続きをして無効になってしまうリスクにも不安を感じていたとのことです。さらに、知人から「自分で贈与登記をやろうとして半年以上かかった」という話を聞いたことが決め手となり、「やはり専門家に頼むのが確実だ」と考え、当事務所へご相談くださいました。
当事務所からのご提案
ご相談時点での最も重要なポイントは、「お父様の判断能力がしっかりしているうちに、法的にも税務的にも安全な形で贈与を完了させること」でした。
当事務所では、以下のステップで対応を進めました。
1. 贈与契約書の作成
将来のトラブルを防ぐため、法的に有効な形式で贈与契約書を作成。証人立会い、日付の明記、贈与対象の特定など、形式的な不備がないよう細部まで整えました。曖昧な書面による無効リスクを避けるため、内容確認を丁寧に行いながら進めました。
2. 贈与登記の申請代行
法務局での登記申請を当事務所が一括で代行。登録免許税の計算、添付書類の準備、登記原因証明情報の作成など、専門的な部分をすべて対応しました。申請から完了報告までを一貫してサポートし、依頼者が役所に足を運ぶ負担を最小限に抑えました。
3. 税理士との連携による節税設計
提携税理士と連携し、贈与税の課税方式(暦年課税・相続時精算課税)を比較検討。H.K様の今後の相続も見据え、最も有利で安全な方法を選択しました。これにより、税務面でも安心して贈与を実現できました。
4. 体調や施設環境に配慮したスケジュール調整
施設側の面会制限やお父様の体調を考慮し、署名・押印の日程を綿密に計画。スムーズに書類が整うよう事前準備を徹底し、判断能力が確かなうちに手続きを完了させました。
5. 贈与後の相続・税務リスクへの備え
名義変更後の固定資産税の納付、贈与後の遺留分トラブルなど、今後考えられるリスクについてもアドバイスしました。単に登記を終えるだけでなく、「今後の生活と相続の両面を守る仕組み」として総合的に支援しました。
お客様の声
「父の判断能力があるうちに名義変更を終えられて、本当に安心しました。贈与登記のことも税金のことも全く分からなかったので、すべて説明してもらえて助かりました。
税理士さんとも連携してもらえたおかげで、贈与税の不安もなくスムーズに終えられました。もし自分だけで進めていたら、書類の準備でつまずいていたと思います。
今回の手続きを通じて、将来の相続まで考えるきっかけにもなりました。家族全員が納得できた形で終えられたので、お願いして本当によかったです。」