事例の背景
S.K様のお父様が亡くなってから15年もの間、相続登記や預貯金の名義変更は行われないままでした。
当初は「兄弟の話がまとまってから」と考えていたものの、長男とは長年疎遠で連絡が取れず、話し合いが止まっていたとのことです。
その後、お母様が体調を崩して施設に入所されたことをきっかけに、「今のうちに整理しておかないと、次の相続でさらに複雑になる」と危機感を持たれました。
しかし、古い戸籍や書類の整理が難しく、法務局や銀行に確認しても手続きが複雑で分からず、相続登記義務化の報道を見て「今こそ専門家に任せよう」と決意。
インターネットで当事務所を見つけ、ご相談いただきました。
当事務所からのご提案
ご相談時に最も大きな課題は「疎遠な長男との連絡が取れないこと」でした。
当事務所では、司法書士が中立的な立場で相続人間の調整をサポートし、全員が納得して手続きを進められるような体制を構築しました。
1. 戸籍収集と相続関係説明図の作成
まず、司法書士が戸籍・除籍・改製原戸籍を一式収集。
15年分の変動をすべて反映した最新の相続関係説明図を作成し、登記と銀行手続きの基礎資料としました。
2. 疎遠な長男との連絡・調整
長男への連絡は、当事務所が書面で実施。一定期間返答がなかったため、ちょうどS.K様が出張で横浜方面に出向くタイミングに合わせ、司法書士が間に入り面談を設定。
その場で手続きの内容を丁寧に説明し、同意書および署名押印をスムーズに取得しました。
3. 登記と預貯金の同時進行
法定相続情報一覧図を作成し、登記と金融機関の両方で共通利用。
これにより、各機関への戸籍提出が一度で済み、書類提出の手間を削減しました。
また、登記申請に先立って法務局と事前確認を行い、放置期間が長い案件でも補正や照会が発生しないよう準備しました。
4. 施設入所中の母への配慮
施設に入所されていたお母様には、司法書士が郵送・電話で書類確認をサポート。
必要書類を施設まで送付し、看護スタッフ立会いのもとで署名押印を行うなど、無理のない形で進めました。
5. 明確なスケジュール管理と報告
全体の流れを事前に図で説明し、進捗をメールと電話でこまめに報告。
依頼者が常に状況を把握できるようにすることで、安心感を持って進めていただけました。
結果として、15年間放置されていた相続を約2か月で完了。
登記・預貯金解約ともにスムーズに終え、ご家族が今後の相続に備えられる形を整えました。
お客様の声
長年放置していた相続でしたが、司法書士さんにすべて整理してもらい、ようやく安心できました。自分では絶対にできなかったと思います。
疎遠だった兄とも連絡が取れ、話がスムーズに進みました。自分だけでは連絡が取れず、あきらめかけていたので本当に助かりました。
法定相続情報一覧図を作ってもらえたおかげで、登記と銀行の両方が一度に進み、時間も手間もかかりませんでした。
母が施設に入っていて動けなかったのですが、郵送や電話で丁寧に対応してもらえて安心でした。家族にも説明が分かりやすく、終始信頼できました。