事例の背景
B.H様は、お母様のご逝去に伴い相続手続きを進める必要がありました。
相続人はご自身とお兄様の2名。預貯金の分配をめぐって意見の相違が生じ、弁護士を通じた交渉が続いていました。
ただし、不動産については「折半で登記を進める」ことが兄妹間で合意済み。
それでも、「係争中に登記を進めていいのか」「他の財産に影響しないか」と不安を感じられていました。
さらに、お兄様が道外在住で、書類の郵送・押印スケジュールの調整にも課題がありました。
「登記だけでも早く終わらせたいけれど、誤って他の話に影響するのは避けたい」との思いから、
ご自身の代理弁護士を通じて、当事務所にご相談いただきました。
当事務所からのご提案
B.H様のケースでは、「争っている部分(預貯金)」と「合意済みの部分(不動産)」を法的に明確に切り分けることが最も重要でした。
1. 弁護士との連携による法的整理
まず、依頼者側の弁護士と綿密に連携し、今回の登記対象が「合意済みの不動産に限定される」ことを確認。
登記申請に影響を与えないよう、文書の文言・範囲・証拠性を慎重に検討しました。
2. 戸籍収集と相続関係説明図の作成
戸籍・除籍・改製原戸籍をすべて当事務所で収集。
登記申請に必要な相続関係説明図を作成し、法務局で受理される形式に整えました。
3. 遺産分割協議書の工夫
協議書には「本協議は不動産のみに関するものであり、預貯金その他の財産については別途協議する」旨を明記。
これにより、係争中の財産への影響を法的に明確に排除しました。
4. 遠方の相続人との書類調整
お兄様が遠方にお住まいであったため、郵送スケジュール・押印書類の確認・返送管理を当事務所が一括で対応。
書類の書き方・印鑑箇所なども分かりやすく案内し、手戻りを防止しました。
5. 情報共有と進捗管理
弁護士・依頼者の双方に進捗を逐次報告し、全工程を透明化。
法的安全性を確保しながら、効率的に登記を進めることができました。
結果として、預貯金係争には一切影響を与えず、不動産の相続登記のみを約1か月で安全に完了。
B.H様からは、「登記だけでも片付いたことで気持ちが落ち着いた」とのお言葉をいただきました。
お客様の声
係争中の預貯金と切り分けて、不動産だけ先に登記できたので気持ちが落ち着きました。
弁護士との連携もスムーズで、安心してお任せできました。
書類の準備から遠方の兄への郵送・押印まで全部管理してもらい、私の負担はほとんどありませんでした。
遺産分割協議書の文言も丁寧に説明していただき、預貯金の件に影響しない形で作ってもらえたのが助かりました。
進捗報告もこまめで、慎重さとスピードのバランスがちょうど良かったです。
自分だけでは不安でしたが、専門家に入ってもらったことで家族間のやり取りもスムーズになりました。」