事例の背景
A.T様は、30年前に亡くなったお父様名義のまま放置されていた地方の実家不動産について、相続登記をしようと決意されたものの問題が発生しました。
お父様が旧本籍を転々としていたことから、出生から死亡までの戸籍が複数の自治体に散らばっており、改製原戸籍・除籍簿も複雑に入り組んでいました。「どこへ請求すればよいのか」「どの戸籍が正しいのか」が分からず、戸籍取得の段階で行き詰まってしまったとのことです。
加えて、最近亡くなったお母様も関わる二次相続の形となるため、手続きはより複雑に。自力で進めるには負担が大きく、途中で断念されたといいます。
さらに、相続登記義務化の話題を耳にし、「このまま放置しておくのは良くない」「期限までに終わらせたい」という焦りも生じていました。
遠方の土地建物を扱った経験のある司法書士に、一括で任せられるところを探し、当事務所にご相談いただきました。
当事務所からのご提案
今回のポイントは、「複雑な戸籍整理」「遠方不動産の調査」「二次相続を含む登記」 を、一つの流れで確実にまとめることでした。
1. 全国に散らばる戸籍の収集と相続関係の整理
父の出生から死亡までの戸籍を、転籍・改製・除籍の記録をもとに丁寧に追跡。
複数自治体への郵送請求を行い、漏れなく収集することで、ようやく相続関係の全体像を把握しました。
2. 相続関係説明図を作成し、状況を分かりやすく可視化
複雑になりがちな家系図や転籍履歴を年表と図にまとめ、誰が相続人かを一目で理解できる形に整理。
A.T様にとっても確認しやすく、「全体がようやくつながった」と安心につながりました。
3. 遠方不動産の調査と登記準備
地方の法務局から登記事項証明書を取り寄せ、不動産の地番・権利内容・評価額をチェック。
固定資産評価証明書も取得し、必要書類を一つひとつ整備しました。
4. オンライン申請による迅速な相続登記
必要書類をすべて揃えたうえで、オンライン申請を活用し、遠方の不動産でもスムーズに申請。
法務局との事前確認も行い、申請後の手続きも問題なく完了しました。
5. 進捗管理の「見える化」とこまめな共有
戸籍取得に時間がかかる案件だったため、進捗管理表を用意し、都度状況をご報告。
不安になりやすい「待ち時間」も安心していただけるよう配慮しました。
お客様の声
まさか古い戸籍まで関係するとは思っていませんでしたが、どこに請求すればいいか分からず困っていたので、全部任せられて本当に助かりました。
全国にまたがった戸籍を丁寧に整理していただき、どの書類がどこから出たものかも分かりやすくて安心できました。
相談相手もいない中での相続手続きでしたが、書類の説明から登記まで任せられて心強かったです。
相続登記の義務化の話を聞いて焦っていましたが、期限に間に合うよう対応してもらえてホッとしました。
進捗報告もこまめで、不安なく最後まで進められました。ありがとうございました。