事例の背景
I.T様は、兄が亡くなった後、預貯金の整理を進めることになりました。
兄には配偶者や両親はおらず、相続人は兄弟や既に亡くなっている兄弟の子ら、合計13名と考えられていました。
親族間で話し合いを行い、預貯金の分け方についても一定の合意が整っていた段階で、
「念のため正式に戸籍を調べておきたい」と当事務所へご相談いただきました。
ところが、出生から死亡までの戸籍を追っていく中で、亡兄には過去に婚姻歴があり、そこに子が1名存在することが判明しました。
親族の誰一人として、その子の存在を把握していなかったのです。
もしこのまま13名で手続きを進めていれば、法的に無効となる可能性がありました。
事実を知ったI.T様は大きな衝撃を受けながらも、「正しい相続人に連絡してほしい」と強く希望されました。
当事務所からのご提案
今回のケースでは、事実を隠さず、法的に正しい状態へ戻すことが最優先でした。
当事務所では、次の5点を軸に対応しました。
1. 戸籍の徹底調査
被相続人の出生から死亡までの戸籍を取得し、
婚姻歴と子の存在を確認。法定相続人が子1名であることを確定しました。
2. 既存協議の法的リスクの説明
13名での協議は無効となる可能性が高いことを説明。
誤った分配が将来大きなトラブルになることを共有しました。
3. 依頼者の意思確認
子の存在が判明した後の対応について、依頼者様の意向を慎重に確認。
「正しい相続人に連絡してほしい」という意思を尊重しました。
4. 真の相続人への連絡と説明
戸籍資料を基に、子へ連絡。
突然の事実に驚かれていましたが、状況を丁寧に説明しました。
その子は、母から「父は既に亡くなっている」と聞かされており、
最近まで存命であったことを初めて知り、大きな衝撃を受けていました。
5. 正しい相続人を前提とした手続きの再設計
法定相続人が子1名であることを前提に、
預貯金解約手続きを進める体制を整えました。
お客様の声
「まさか兄に子どもがいたとは、夢にも思いませんでした。
もしあのまま13人で手続きを進めていたら、大変なことになっていたと思います。
正しい相続人に連絡してほしいとお願いしましたが、正直とても複雑な気持ちでした。
それでも、きちんと事実を確認していただき、法的に正しい道を示してもらえたことに感謝しています。
戸籍をきちんと調べることの大切さを、身をもって実感しました。本当にありがとうございました。」