事例の背景
札幌に住むT様にとって、当別町にある実家は「悩みの種」でした。数年前に父が亡くなり、母も施設に入ってからは空き家状態。冬になれば「雪で屋根が抜けないか」「近所に迷惑をかけていないか」と、スマホの天気予報を見るたびに動悸がしたそうです。
お母様が亡くなり、いざ手続きを始めようとしたものの、弟とは長年折り合いが悪く、実家の処分方針を巡って険悪な雰囲気に。「お前が勝手に進めるな」と拒絶され、話し合いは平行線。自分たちで解決しようとするほど溝は深まり、T様は「もう実家なんて取り壊してしまいたい」という自暴自棄な感情と、「親に申し訳ない」という罪悪感の間でボロボロになっていました。このまま放置すれば、次の冬にはまた雪の心配をしなければならない。その焦りが限界に達したとき、当事務所へ駆け込まれました。
当事務所からのご提案
家族の問題は、当事者だけではどうしても感情が先行してしまいます。第三者である専門家が介入することで、冷静な議論の場を作りました。
① 「感情」を「数字とリスク」に置き換えるアドバイス
弟様に対し、放置することによる具体的リスク(固定資産税の負担、倒壊時の損害賠償責任、雪下ろし費用の推移)を数字で提示しました。感情論ではなく「このままでは二人とも損をする」という現実を共有することで、頑なだった弟様の態度を「解決」の方向へとシフトさせました。
② 負担を公平にする「換価分割」の提案
不動産をどちらかが引き継ぐのではなく、名義を変更した上で売却し、その現金を兄弟で分ける「換価分割」を提案しました。これにより、どちらか一方が管理の重荷を背負う不公平感を解消。登記の段階から売却を見据えた書類作成を行い、手続きの無駄を一切省くロードマップを描きました。
③ 地元の不動産ネットワークを活用した出口戦略
当事務所は地元の不動産会社とも連携しています。名義変更が終わった後の「その後」まで責任を持つため、当別町の土地柄を熟知した業者を紹介。冬が来る前に売却の目処を立てるという、T様の最大の希望に沿ったスケジュール管理を徹底しました。
お客様の声
兄弟だけで話していたら、今頃は裁判になっていたかもしれません。先生が間に入って、『どちらが正しいか』ではなく『どうすればお互いの生活が守れるか』という視点で提案してくださったことに救われました。当別の厳しい冬を前に、名義変更から売却の準備まで終えられたのは、まさにプロの仕事です。一人で抱え込んでいたあの苦しい時期に、もっと早く相談していればよかったです。