事例の背景
小樽で長年商売をしてきたT様のお父様。住んでいるのは、手入れの行き届いた歴史を感じさせる立派な邸宅でした。しかし、お父様に物忘れの症状が出始め、T様は不安を抱くようになります。もし父が亡くなった後、遠方に住む兄弟たちとこの広い家の扱いで揉めることになったら、父が守ってきたこの場所を売らなければならなくなるかもしれない。
お父様自身も「この家だけはTに守ってほしい」と口癖のように言っていましたが、あくまで口約束。自分なりに調べると、不動産の贈与は税金が高いという情報ばかりが目に入り、手続きを躊躇しているうちに月日が流れてしまいました。大切な家が、父の意識がはっきりしなくなることで「動かせない資産」になってしまう。お父様の想いを尊重しつつ、家族の未来を確かなものにするためには、今すぐプロの知恵を借りるしかないと考え、相談しようと決意しました。
当事務所からのご提案
① 税負担を抑える「相続時精算課税制度」の活用提案
贈与税の高さに悩まれていたT様に対し、税理士と連携して「相続時精算課税制度」の活用を提案しました。将来の相続税と通算することで、現時点での多額の贈与税支払いを回避。金銭的なハードルを下げつつ、確実に名義を移転させるスキームを構築しました。
② 将来の「特別受益」を考慮した遺産分割の先取り
単に名義を変えるだけでなく、他の兄弟から後で不満が出ないよう、今回の贈与を「相続分の前渡し」として法的に整理しました。お父様の遺言書作成もセットで提案し、家以外の財産をどう分けるかを明確にすることで、兄弟間の公平性を担保するロードマップを提示しました。
③ 小樽の邸宅特有の「評価額」に基づいた書類作成
小樽の古い建物は、固定資産税評価額と実際の市場価値に差があることが多いです。専門家として適正な評価を行い、税務署から「不当に安い価格での譲渡」と疑われないよう、根拠に基づいた贈与契約書を作成。登記完了まで、一点の曇りもない手続きを完遂しました。
お客様の声
名義を移すのはもっと大変で、税金も何百万とかかるものだと思い込んでいました。先生が『今ならこの制度が使えます』と具体的に教えてくれたおかげで、父も私も『今がその時だ』と確信できました。おかげさまで、父が元気なうちに家を引き継ぐことができ、父もホッとした表情をしています。小樽の大切な家を、次の世代へ繋ぐ道筋を作っていただき、本当にありがとうございました。