事例の背景
長年、新篠津の厳しい自然の中で農業を営んできたK様でしたが、体力の限界を感じて離農を決意されました。息子さん夫婦が「この家を守る」と言ってくれたのは嬉しかったのですが、ふと「自分が亡くなった後、離れて暮らす娘と息子でこの家を巡って揉めたら嫌だな」という不安がよぎりました。
「元気なうちに名義を変えておきたい」と考え、近所の集まりで聞いた話を頼りに自分で書類を作ろうとしましたが、贈与税がいくらかかるのか、もし息子が先に亡くなったらどうなるのか、調べれば調べるほど疑問が増えていきました。「良かれと思ってやったことで、家族に迷惑をかけたくない」。そんな不安から、夜も十分に眠れない日が続きました。最後に頼ったのは、やはりプロの言葉。家族全員が納得できる形で、この家を次の世代に渡したいという一心で相談に来られました。
当事務所からのご提案
① 「相続時精算課税制度」の活用による税負担の軽減
贈与による高額な税金を心配されていたK様に対し、税理士と連携して「相続時精算課税制度」のメリット・デメリットを具体的にシミュレーションしました。現時点での納税を抑えつつ、確実に名義を移すための道筋を示したことで、金銭的な不安を解消しました。
② 「死因贈与」や「負担付贈与」も視野に入れた契約書作成
単に名義を変えるだけでなく、K様が今後も安心してその家に住み続けられるよう、「居住権」や「将来の扶養」に関する約束事を盛り込んだ贈与契約書を作成しました。「口約束」を「法的書類」にすることで、息子様夫婦も「責任を持って母を支える」という自覚を深めてくださいました。
③ 娘様(他の推定相続人)への丁寧な説明サポート
トラブルの火種を消すため、今回のご提案内容を娘様にも共有することを勧めました。なぜ今、息子様に名義を移すのか、それが家族全体にとってどうプラスなのかを専門家の立場から解説。最終的に娘様からも「それが一番安心だね」と賛同をいただき、家族の絆をより強固にする形で名義変更を完了させました。
お客様の声
名義を変えるのは簡単なことだと思っていましたが、税金や将来のことまで考えると、素人の判断は危ないなと痛感しました。先生が娘にも丁寧に説明してくださったおかげで、しこりを残さずに手続きができて、本当にホッとしています。これでようやく、肩の荷が降りました。新篠津の景色を眺めながら、これからはゆっくり過ごせそうです。