事例の背景
「うちは田んぼが多いから、手続きも大変なんだよな……」。そう言いながらお父様が亡くなってから5年。A様は新篠津での稲作を引き継ぎましたが、土地の名義はお父様のままでした。これまでは特に困ることもありませんでしたが、農機の購入で融資を検討した際、銀行から「土地の名義を整理しないと担保設定ができない」と指摘され、顔の血の気が引いたそうです。
慌てて納屋から古い権利証を引っ張り出しましたが、そこにはお父様だけでなく、既に亡くなっているおじい様の名義の土地まで混じっていました。自分なりに調べようとネットを見ても、農地の相続は一般の土地とルールが違うという情報ばかり。「もし手続きを間違えて、農業を続けられなくなったらどうしよう」という焦りと、先代に申し訳ないという思いで、トラクターに乗っていても名義のことばかり考えてしまう日々。地元の知人に相談しても「うちは親戚が揉めて大変だった」という話ばかりで余計に不安になり、専門家の知見を求めて当事務所を頼られました。
当事務所からのご提案
① 「農地法第3条の3の届出」を見据えたスピード対応
農地を相続した場合、農業委員会への届出が必要です。登記とこの届出をセットで考え、期限内に確実に処理するロードマップを作成しました。A様が「どこに何を言えばいいか」迷わないよう、役場との調整も一手に引き受け、心理的な負担を最小限に抑えました。
② 複数世代にわたる「未登記不動産」の解消
調査の結果、おじい様名義のままの土地が数筆見つかりました。放置すればするほど、将来お子様に引き継ぐ際の負担が増えることを数字で説明。「今、ここで完全に清算しましょう」と提案し、戸籍調査を徹底。疎遠になっていた分家の親族への連絡も当事務所が代行し、円満に印鑑を揃えることができました。
③ 融資実行に合わせたタイトなスケジュール管理
銀行の融資実行日に間に合わせるため、登記申請のタイミングを逆算して管理しました。法務局での処理日数も考慮し、「いつまでにどの書類が必要か」をチェックリスト化。A様には農作業に集中していただきつつ、裏方として完璧な法務基盤を整えました。
お客様の声
農繁期と重なってしまい、正直自分では何もできなかったと思います。先生が『Aさんはお仕事に専念してください』と言ってくれた言葉が、どれだけ心強かったか。バラバラだった土地の名義が自分の名前でピシッと揃ったときは、ようやく本当の意味で農家として自立できた気がしました。新篠津の農家仲間にも、困っている人がいたらぜひ紹介したいです。