事例の背景
「親父の代で終わらせておけばよかったんだ……」。M様は、手元にある茶色く変色した古い権利証を見つめて溜息をついていました。南幌町で代々続く農家の長男として、家と畑を守る覚悟はありましたが、いざお父様が亡くなって登記を調べると、一部の土地がおじい様の名義のままになっていることが発覚したのです。
M様には、既に南幌を離れて札幌や道外で暮らす兄弟が3人います。自分なりに電話で「名義を変えたい」と伝えましたが、一人の兄弟から「土地を売ったらいくらになるのか」「俺たちの取り分はどうなる」と予期せぬ追求を受け、話し合いはストップ。自分たちで解決しようとするほど、兄弟間の空気は険悪になり、M様は「良かれと思って動いたのに、なぜ自分が責められるのか」と深い孤独感と焦燥感に苛まれました。このままでは相続登記の義務化にも間に合わない、先祖代々の土地がバラバラになってしまうという恐怖から、プロの仲裁を求めて当事務所へ駆け込まれました。
当事務所からのご提案
① 「数次相続」の全容解明と戸籍の網羅的収集
おじい様の代から放置されていたことで、相続人はM様の想像以上に増えていました。当職が全国の役所から戸籍を取り寄せ、正確な家系図を作成。誰が正当な権利者かを客観的な証拠で示したことで、兄弟間の「憶測による疑心暗鬼」を払拭しました。
② 営農継続を前提とした「農地法」に強い遺産分割案
農地は分割しすぎると農業効率が落ち、法的にも制限がかかります。「農業を続けるM様が土地を守ることが、一族にとって最大のリスクヘッジである」という視点から、他の兄弟には現金や別の財産を配分する「代償分割」を提案。農業委員会との調整も見据えた、専門家ならではの説得力あるプランを提示しました。
③ 兄弟間の感情を逆撫でしない「第三者による説明」
当事務所が中立的な立場で他の兄弟全員に連絡を取り、現在の土地の評価額や、名義を変更しないことによる将来のデメリット(過料や管理責任)を丁寧に説明しました。身内同士では感情的になる話も、専門家が介入することで「理性的で公平な手続き」として受け入れてもらうことができました。
お客様の声
最初は兄弟に疑われているようで、本当に辛かったです。でも先生が間に入って、『これが法律上の正解です』とビシッと示してくれたおかげで、最後はみんな笑顔で協力してくれました。自分一人では戸籍を集めるだけで何年もかかったはず。南幌の広い土地を、名実ともに自分の代に引き継げたことで、ようやく父への恩返しができた気がします。