事例の背景
先祖代々、栗山の山を守ってきたという自負はありましたが、実態はボロボロでした。H様がお父様から受け継いだ資料を整理したところ、山林の大部分が明治生まれの曾祖父名義のまま。これまで固定資産税が安かったこともあり、家族全員が見て見ぬふりをしてきた結果です。
しかし、近隣で送電線の鉄塔建設の話が持ち上がり、土地の境界確認と名義変更が急務となりました。自分なりに戸籍を集めようと試みましたが、古い手書きの「除籍謄本」は文字が掠れて読めず、家系図さえ作れません。役所の窓口で、既に亡くなっている親族が次々と出てくる事実に、H様は家系の重みに押し潰されそうな感覚に陥りました。万が一、反対する親戚が一人でもいたら工事は止まり、自分の代で大きなトラブルに発展してしまう。そんな焦燥感から、独力での解決は不可能だと悟り、プロに相談しようと考えるようになりました。
当事務所からのご提案
① 職権による「100年分の戸籍調査」と相続人の確定
一般の方では解読困難な明治・大正期の戸籍を、専門家の知見で一気に読み解きました。職権請求を駆使して全国から資料を収集し、30名に及ぶ相続人を特定。この「正確な事実」を提示することで、H様の不安を「やるべきタスク」へと変えていきました。
② 親族間の対立を未然に防ぐ「中立的なご案内」
面識のない相続人の方々に対し、H様個人としてではなく、当事務所の司法書士名で「今回の手続きの趣旨と法的な必要性」を説明する手紙を送付しました。専門家が間に入ることで、相手方に「不当な要求をされている」という疑念を抱かせず、円満に印鑑をいただくための土壌を整えました。
③ 送電線工事のスケジュールに合わせた迅速な登記申請
工事業者の提示した期限に間に合わせるため、書類回収から法務局への申請までを分刻みのスケジュールで管理しました。万が一、協力が得られない相続人が出た場合の予備プラン(法定相続分での登記など)もあらかじめ提示し、H様が安心して工事の打ち合わせに臨めるようサポートしました。
お客様の声
最初は30人も相続人がいると聞いて、もう一生終わらないのではないかと絶望的な気持ちでした。しかし、先生がまるで魔法のように次々と戸籍を揃え、疎遠だった親戚とも事務的に、かつ丁寧に話をつけてくれたおかげで、無事に期限内に名義を変えることができました。自分一人では10年かかっても無理だったと思います。先祖から預かった大切な山を、ようやく自分の名前で守っていける自信がつきました。