事例の背景
「あの田んぼ、実は隣の親戚の名義なんだよね」。お父様からそう聞かされていたK様。かつて親戚間で土地を譲り受けた際、費用を惜しんで登記をせずにそのままにしていたのです。美唄で米作りを続けて30年、特に問題はありませんでしたが、農地の集約化や補助金の申請をする中で、「名義が違う」ことが致命的な欠陥になると指摘されました。
慌ててその親戚に相談しましたが、既に名義人は亡くなっており、相続権はその子供たちに移っていました。子供たちは「え、あそこはうちの土地じゃないの?」と困惑。K様は、長年丹精込めて耕してきた田んぼを、紙切れ一枚の不備で失ってしまうのではないかという恐怖に襲われました。もし法的に争うことになれば、長年の親戚関係も台無しになる。自分一人で解決しようとするほど、相手を疑うような暗い気持ちになり、プロに相談しようと考えるようになりました。
当事務所からのご提案
① 「時効取得」や「売買」を駆使した最適な法的構成の選択
過去の譲渡の事実を証明する資料が乏しい中、どのような名義変更が最もスムーズかを精査しました。安易に「贈与」とすると高額な税金がかかります。当時の経緯を丁寧に聞き取り、親戚側も納得できる「真正な登記名義の回復」や「売買」など、税務署にも説明がつく法的な構成を提案しました。
② 親戚全員への「納得のいく説明会」の実施
親戚の相続人の方々に対し、過去の経緯を説明し、「今、名義を整理することが双方の将来にとってなぜ利益になるのか」を解説しました。放置し続けると親戚側の子供たちにとっても「管理責任」という重荷になることを伝え、円満に印鑑をいただけるようサポートしました。
③ 農業委員会への許可申請と登記の連動
農地の移転には農業委員会の許可が必須です。司法書士として、登記手続きだけでなく、許可申請の書類作成も一貫して対応。K様が農作業の手を止めることなく、法的な「自分の土地」として確定させるための完璧なバックアップ体制を敷きました。
お客様の声
ずっと喉に刺さったトゲのような悩みでした。親戚と揉めたくなくて言い出せませんでしたが、先生が間に入ってくれたおかげで、『これは必要な手続きなんだ』とお互いに理解し合うことができました。自分の名前になった登記識別情報を見た時は、やっと本当の意味で自分の田んぼになったんだと涙が出そうでした。これで安心して、息子に後を継がせることができます。