事例の背景
三笠市幾春別周辺で暮らしてきたS様。お父様の相続を機に、所有する山林の登記簿をすべて取り寄せて驚愕しました。メインの自宅周りは整っていましたが、裏山の広い山林の名義が、会ったこともない「ひいおじいさん」のままでした。
戸籍を遡ると、法定相続人は今や日本全国、さらには海外にまで点在しており、総勢50名以上。中には「三笠の土地はワイン人気で地価が上がっているはずだ」と期待を寄せる親戚や、そもそも連絡すら拒否する人もいました。しかし、放置すれば土砂災害のリスクや固定資産税の滞納など、いずれS様の子世代に大きな負担が回ることは明白でした。
「自分の代で、先祖からの預かりものにケジメをつけたい」。そう願うS様ですが、50名もの親戚と交渉する気力も術もありませんでした。途方もない調査と調整を引き受けてくれる専門家を必死に探し、当事務所へ相談に来られました。
当事務所からのご提案
まずは、迷宮入りしかけていた家系図を、プロの調査力で完全に復元しました。
① 全国の相続人50名に対する「所在調査」と「趣旨説明」
数ヶ月かけてすべての戸籍を収集し、現在の居住地を特定。当事務所から一斉に、「名義を一本化しないことで生じる将来のリスク(義務化、過料、賠償責任)」を丁寧に、かつ法律家として厳格に説明する通知を送付しました。
次に、感情的な反発を最小限に抑える「受け皿」の提案をしました。
② 「責任の引き受け」を対価とした名義集約の交渉
山林の資産価値が極めて低いことを客観的な資料で提示。その上で、S様が名義を引き受けることは「財産を独占すること」ではなく、「一族の責任を肩代わりすること」であると強調し、全員から実印と印鑑証明書の提供を受けるための説得を行いました。
最後に、集まった合意を確実な登記へと繋げました。
③ 膨大な署名・捺印を管理する「遺産分割協議のディレクション」
書類のやり取りで不備が出ないよう、各相続人に専用の返信用キットを送付し、きめ細かくフォロー。50名を超える意思を一つの遺産分割協議書にまとめ上げ、数十年越しの懸案だった山林の名義変更を完遂しました。
お客様の声
50人という数字を聞いた時は、もう一生無理だと諦めかけていました。先生が一人一人に粘り強く手紙を書いてくださり、最後の一人のハンコをもらえたという報告を聞いた時は、仏壇の前で泣きました。ご先祖様にようやく良い報告ができます。子どもたちに「きれいな名義」で土地を残せたのは、先生というプロの力があったからです。