事例の背景
千歳市に土地を持つT様は、お父様の代から続く土地の相続で頭を抱えていました。そのエリアは空港の騒音区域に指定されており、建物の制限や防音工事の助成など、権利関係が非常に複雑です。
兄弟の間では「いつか国が高く買い取ってくれる」という楽観論と、「使いにくい土地だから価値はゼロだ」という悲観論が対立。お互いに自分に都合の良い評価を持ち出し、話し合いは一歩も前に進まないまま3年が経過していました。
T様は高齢ということもあり、「自分の代できちんと整理して、子どもたちにスッキリした形で渡したい」と願い、特殊な土地評価に強い専門家の門を叩きました。
当事務所からのご提案
曖昧な「期待感」や「不安」を、確かな「根拠」に置き換える作業を行いました。
① 騒音区域特有の「土地評価基準」の策定
近隣の取引事例だけでなく、今後の移転補償の可能性をリサーチ。行政の資料を基に、その土地の「現在価値」を算出しました。これにより、兄弟間での評価のズレを埋める客観的なモノサシを提示しました。
次に、特殊な土地だからこそ、将来のトラブルを未然に防ぐ分割方法を提案しました。
② 「権利の一本化」と代償金の合理的な算出
不確定な未来のために共有名義にするのはトラブルの元です。代表してT様が土地を相続し、他の兄弟には現金を手渡す代償分割を提案。納得感を高めるため、算定の根拠を遺産分割協議書に詳しく反映させました。
最後に、過去の助成金などの「付随する権利」の確認を行いました。
③ 防音工事や助成金に関する「承継事項」の整理
過去に受けた防音工事の履歴や、将来の助成金の権利が誰に帰属するのかを明記。不動産の名義だけにとどまらない「目に見えない権利」まで整理することで、将来の紛争の芽をすべて摘み取りました。
お客様の声
空港の近くというだけで、こんなに手続きが複雑だとは思いませんでした。先生が行政の資料まで調べて「この土地の正解」を出してくれたおかげで、兄弟も納得して印鑑を押してくれました。子どもたちに面倒な宿題を残さずに済み、本当にホッとしています。