事例の背景
当別町の山間部にお父様が遺した山林。S様は、そこがずっと「家族のもの」だと思っていましたが、いざ名義を確認してみると、なんと曾祖父の名義のまま放置されていたことが判明しました。慌てて戸籍を遡ると、相続権を持つ人は、今や会ったこともない遠い親戚を含めて20人を超えていました。
昨今の強風による倒木で近隣から苦情が来た際、名義がバラバラでは責任の所在もはっきりせず、伐採の許可を取るだけでも一苦労。「このまま自分が死んだら、子どもたちはもっと大変な思いをする」という強い責任感から、S様は自ら親戚に手紙を書こうとしましたが、誰がどこに住んでいるかすら分からず、途方に暮れてしまいました。
管理の負担だけがのしかかり、資産価値も低い。そんな「負動産」を整理するために、膨大な手間を肩代わりしてくれる専門家を必死に探し、当事務所へ相談に来られました。
当事務所からのご提案
まずは、複雑に絡み合った家系図を、職権を用いた調査で解きほぐしました。
① 全国に散らばった「20名以上の相続人」の特定と連絡
数代にわたる除籍謄本や改正原戸籍を全て収集し、相続人の全貌を明らかにしました。その後、当事務所から全相続人に対し、「管理責任を一本化し、将来の紛争を防ぐための協力依頼」として丁重な案内状を送付しました。
次に、資産価値が低い土地だからこそ、誰もが納得する「手放し方」を提案しました。
② 管理責任を引き受けることによる「無償譲渡」の合意形成
「価値がないから放置したい」という相続人たちに対し、名義をS様に集約することのメリット(他の相続人が管理責任や納税義務から解放されること)を強調。金銭的なやり取りを発生させず、実印と印鑑証明書の提供をスムーズに受けるための交渉を行いました。
最後に、今後二度と同じ問題が起きないよう、完璧な登記を完了させました。
③ 境界未確定リスクを考慮した協議書の文言作成
山林特有の「正確な面積が不明」「境界が曖昧」といったリスクを承知の上で相続することを明記。後から他の親族に責任が波及しないような法的保護を施した上で、S様お一人の名義に変更する登記を完遂しました。
お客様の声
最初は「20人もいるなら、もう諦めなさい」と周りに言われましたが、先生が根気よく全員と連絡を取ってくださいました。一人一人に「なぜこれが必要なのか」を説明してくれたおかげで、誰一人反対することなく協力してもらえたのは本当に驚きでした。これで子どもたちに迷惑をかけずに済みます。本当にありがとうございました。