事例の背景
新篠津村で長く暮らしてきたM様は、お父様の相続を機に、所有している土地の登記簿をすべて取り寄せて驚きました。メインの田んぼは整理されていましたが、隅にある古い倉庫が建つ土地や、水利のための溜池の名義が、亡き祖父やさらにその前の代の名義のままでした。
近隣では土地改良事業の話が出ており、名義がはっきりしないと補償金が受け取れなかったり、工事の同意ができなくなったりする恐れがあります。M様は自分で調べようとしましたが、古い「字図(アザズ)」と今の地図の照合ができず、戸籍も全国に散らばった親戚の分まで必要だと知り、途方に暮れてしまいました。
「自分の代で解決しておかないと、新篠津のこの土地が誰のものか分からなくなってしまう」。そんな焦りと、ご先祖様への申し訳なさから、地元の歴史と土地の権利に詳しい専門家を頼ることにしました。
当事務所からのご提案
まずは、現代の地図からは消えかかっている「古い権利」の全貌を、調査で掘り起こしました。
① 旧土地台帳と古地図を用いた「権利の紐解き」
法務局に残る明治期からの旧土地台帳まで遡り、名義人が誰なのか、どのような経緯で放置されたのかを特定。公図と現地の状況を照らし合わせ、不明確だった境界や持ち分を法的に再定義しました。
次に、膨大な数に膨れ上がった法定相続人たちを、一カ所に集約する交渉を行いました。
② 多数の相続人への「協力要請」と書類収集の代行
全国に点在する、面識のない相続人たちに対し、当事務所が経緯を説明する手紙を送付。「この土地はM様が長年管理しており、名義を一本化することが全員の利益になる」という趣旨で、遺産分割協議への協力を丁寧に取り付けました。
最後に、集まった合意を確実な「登記」という形に変えました。
③ 倉庫と溜池の「建物表題登記」と「所有権移転」の完遂
建物として登記されていなかった倉庫については、新たに表題登記を行い、土地と合わせてM様の名義へ変更。これにより、将来の土地改良事業や売却の際に、M様が正当な権利者として胸を張って交渉できる状態を整えました。
お客様の声
まさか曾祖父の名義が残っているなんて夢にも思いませんでした。先生が古い書類を読み解いて、遠くの親戚まで探し出してくれたときは、まるで探偵さんのようだと思いました。おかげさまで、村の事業にも遅れることなく参加できそうです。自分一人では一生かかっても無理だった「家の歴史の整理」ができて、本当に感謝しています。