事例の背景
長沼町で高付加価値な野菜を栽培しているM様。お父様が亡くなり、名義変更が必要になりましたが、農地や自宅、預貯金など遺産の種類が多く、お母様とM様、そして町外に嫁いだ姉様の3人でどう分けるべきか悩んでいました。
M様は経営を安定させるために、農地などは自分の名義にしたいと考えていました。しかし、お母様も「自分が住む家や、ある程度の現金は持っておきたい」という希望があり、姉様も「将来の介護負担を考えると、ある程度の平等さは必要ではないか」という意見。お互いを思いやる家族だからこそ、かえって本音を言い出せず、手続きが停滞していました。
「今、適当に分けてしまうと、数年後にお母様に何かあった時に、また同じことで揉めてしまうのではないか」。そんな不安を抱えたM様は、目先の手続きだけでなく、家族の将来まで見据えたアドバイスを求めて当事務所のドアを叩かれました。
当事務所からのご提案
「今」と「未来」の2回分の相続を一度に設計する、長期的な視点での提案を行いました。
① 「配偶者居住権」の活用による母の安心と子の権利の両立
お母様が死ぬまで今の自宅に安心して住み続けられる権利(配偶者居住権)を協議書に盛り込みつつ、建物の所有権は将来の経営者であるM様が相続する形を提案。これにより、お母様の生活を守りながら、将来の再度の名義変更の手間とコストを削減しました。
次に、節税と公平性を両立させる資産配分を行いました。
② 二次相続をシミュレーションした「最適配分」の提示
今回の相続(一次相続)でお母様がどれだけ継ぐと、将来お母様が亡くなった時(二次相続)の税金や手続きがどう変わるかを数値化。姉様にも納得いただけるよう、今のうちに姉様へ一定の資産を配分し、将来の揉め事の種を今摘み取るプランを提示しました。
最後に、農業経営に不可欠な「家族の協力体制」を法的にバックアップしました。
③ 経営資産の「集中」と、透明性のある協議書の作成
農地や水利権などの経営に不可欠な資産はM様に集中。その根拠として、M様が今後家族を支えていく「責任」を協議書の中に明記しました。透明性の高いプロセスを踏むことで、姉様からも「これならMに任せて安心だ」という心強い言葉を引き出しました。
お客様の声
単に名義を変えるだけだと思っていましたが、将来の母の相続のことまで考えて提案してくださり、本当に驚きました。先生が間に入ってくれたことで、普段言いにくかった「お金や権利の話」を家族で前向きに話し合うことができました。これで家族みんなが納得して、それぞれの生活を歩んでいけます。長沼の農家仲間にもぜひ紹介したいです。