事例の背景
長沼町の静かな場所にある、お父様が遺した古い家と小さな畑。千歳に住む長女のK様は、週末ごとに片付けに通っていましたが、築年数の経った建物の維持は限界に来ていました。他の兄弟も「長沼はいいところだけど、住む予定はない」と言い、固定資産税の通知書だけがK様のもとに届く日々。
K様は「誰かに住んでもらいたい」と考えていましたが、長沼の農地付き住宅を売却するには、農業委員会の許可や、購入者側の条件など、素人には高すぎる壁がいくつもありました。兄弟の間でも「誰が名義人になって売却の手続きをするのか」で揉め、責任の押し付け合いになっていました。
冬の雪害で屋根が傷み始め、「このままでは価値がなくなるどころか、取り壊し費用で赤字になる」という焦りが頂点に。手続きをまるごと任せられ、長沼の不動産事情に明るい専門家の助言を求めて当事務所を訪れました。
当事務所からのご提案
放置が一番の損失である不動産を、最も効率的に現金化するロードマップを描きました。
① 「換価分割」による不公平感のない売却合意
兄弟の誰かが代表して名義を持つのではなく、売却を前提とした遺産分割協議書を作成。売却代金から葬儀費用や固定資産税、仲介手数料を差し引き、残りを1円単位まで公平に分けるスキームを提示し、兄弟全員の合意を取り付けました。
次に、長沼町特有の「農地付き住宅」の売却ハードルを下げました。
② 農業委員会との事前協議と「非農地化」の検討
売却をスムーズにするため、畑の部分を庭先として扱えるか、あるいは農地法の許可を得やすい形に整理できるか、農業委員会と粘り強く交渉。購入希望者が現れた際に、すぐに契約が進められるよう「売れる状態」を先んじて整えました。
最後に、売却までの管理責任を明確にしました。
③ 売却期間中の「管理費負担」のルール化
売却が決まるまでの除雪費や草刈り代を、最後に売却代金から精算することを協議書に明記。K様がこれまで一人で負担してきた経費も遡って精算対象に含めることで、K様の心理的・経済的負担を正当に評価しました。
お客様の声
「長沼の古い家なんて売れるの?」と半信半疑でしたが、先生が一つずつ問題を片付けてくれたおかげで、無事に素敵な移住者の方にお譲りすることができました。兄弟の間でも「Kに任せておけば安心だ」と信頼を取り戻すことができ、本当にホッとしています。あのまま放置していたらと思うとゾッとします。先生に出会えて本当に良かったです。