事例の背景
月形町で代々続いてきたS様のご実家。お父様が亡くなり、長男のS様が家を継ぐことになりました。しかし、相続登記のために資料を集めたところ、庭にある立派な土蔵の登記がどこにも存在しません。さらには、明治時代の古い図面しかなく、隣のお宅との境界が「軒下」や「石積み」を基準にした曖昧なものだと分かりました。
S様は「昔からのことだから」と気楽に考えていましたが、他の相続人である妹様から「将来、家を壊したり売ったりする時に、境界がはっきりしていないとトラブルになる。今のうちにきちんと直してほしい」と強く要望されました。妹様は「曖昧なままの土地を相続するのは嫌だ」と、遺産分割協議書への署名を拒み続けました。
「自分の代でこの古い宿題を終わらせないと、月形のこの場所がダメになってしまう」。S様は、古い土地の権利関係を紐解き、隣人との調整までサポートしてくれる専門家を求めて当事務所を訪れました。
当事務所からのご提案
まずは、歴史ある建物を「負の遺産」にしないための法的処理を行いました。
① 未登記土蔵の「表題登記」と建物図面の作成
現地を測量し、長年放置されていた土蔵を正式に登記。建物の存在を法的に確定させることで、妹様に対しても「財産の全貌」を正しく開示し、安心感を与えました。
次に、近隣との関係を壊さない「境界の正常化」を試みました。
② 隣接所有者との「境界確定協議」のフルサポート
隣家の方も代替わりしていたため、当事務所が間に入り、当時の慣習(軒先境界など)を尊重しつつ、現代の測量技術で境界を確定。書面として「筆界確認書」を交わすことで、将来の紛争リスクを完全にゼロにしました。
最後に、維持管理の重みを考慮した分割内容を提案しました。
③ 「歴史的建造物の維持負担」を考慮した預貯金の配分
土蔵や古い家屋は修繕費が莫大にかかります。S様がこれらを引き受ける代わりに、お父様の残した預貯金を妹様に多めに配分する案を提示。妹様も「管理の苦労はSさんに任せるのだから、これが公平ね」と納得してくれました。
お客様の声
古い家のことなので、何が正解か分からず頭を抱えていました。先生が明治の資料から現在の状況まで丁寧に繋ぎ合わせてくれたおかげで、妹も納得してくれました。境界もはっきりし、土蔵も私の名義として登録できたので、ようやく家を守っていく覚悟が決まりました。月形の古い歴史を持つ方には、ぜひ先生をおすすめしたいです。