事例の背景
M様は、江別市内の閑静な住宅街で30年以上暮らしてこられました。近年、近隣でも空き家が目立つようになり、ご自身も「もし自分が認知症になって施設に入ったら、この家はどうなるのか」と不安を感じるようになったそうです。特に江別は冬の積雪量が多く、空き家になった途端に雪害で建物が傷み、資産価値が下落するリスクがあります。
ご自身で「生前贈与」を検討されましたが、多額の贈与税や不動産取得税がかかることに驚き、断念。その後、ネットで「家族信託」という言葉を知り、札幌近郊の事情に詳しい専門家を探し始めました。判断能力があるうちに、息子に迷惑をかけない道筋を立てたいという一心で、当事務所へご相談にいらっしゃいました。
当事務所からのご提案
M様のケースでは、将来の「実家の売却」と「介護費用の確保」をセットにした信託プランを提案しました。
① 認知症後の「自宅売却」を可能にする権限設定
万が一M様の判断能力が低下しても、受託者であるご長男が単独で実家を売却できるよう契約に明記しました。これにより、家庭裁判所の許可が必要な「成年後見制度」を利用することなく、迅速に不動産を現金化し、M様の介護施設入居一時金や月々の利用料に充てられる体制を整えました。
② 江別特有の「空き家管理コスト」の予備確保
売却までの期間、江別で発生しがちな「除雪費用」や「火災保険料」を、信託された金銭からご長男が支払える仕組みを構築しました。ご長男の持ち出しを防ぐことで、心理的なハードルを下げ、親族間での不公平感が出ないように配慮しました。
③ 親子間の合意形成を促す「家族会議」の実施
LPでも強調されている通り、家族信託は形式的な書類作成以上に、家族の意思疎通が重要です。当事務所が立ち会い、M様の「最後まで自分のお金で自分らしい老後を送りたい」という想いを、法的な効力を持つ言葉に落とし込み、ご長男にもその役割の重要性を納得していただく場を設けました。
お客様の声
息子に家のことを頼みたくても、どこから話せばいいか分からず一人で悩んでいました。先生が間に入ってくださったおかげで、ようやく将来の不安を言葉にでき、息子ともしっかり向き合えました。これで、もしもの時も息子に負担をかけずに済みます。江別の厳しい冬を前に、心の重荷がすっかり取れた気分です。