事例の背景
依頼者である長男様は、千歳市内に広大な土地を所有するお父様の「物忘れ」が気になり始めていました。現在、千歳市内では大規模な企業進出やインフラ整備が相次いでおり、お父様が所有する土地にも売却や事業用借地としての打診が届くようになっています。しかし、もし今お父様が認知症になってしまえば、これらの有利な条件での取引は一切できなくなり、資産が完全に「凍結」されてしまいます。
長男様は「この地域の発展に合わせて資産を有効活用したいが、父の健康状態のせいで家族全員が身動きできなくなるのだけは避けたい」と考え、お父様を説得。お父様も「自分の代で土地を腐らせたくはないが、自分一人で複雑な契約をこなす自信がない」と漏らされていました。地域の開発動向に明るく、かつ家族の想いを尊重してくれるプロに相談しようと、当事務所を訪ねられました。
当事務所からのご提案
市場の変化が激しい千歳エリアにおいて、資産活用のチャンスを確実に掴むための「攻めの信託」を提案しました。
① 「開発・売却」の意思決定を長男へ一本化
将来、企業やディベロッパーから土地活用の具体的な提案があった際、お父様の判断を待たずに長男様がオーナー代理として契約を結べる権限を付記しました。これにより、市況に合わせた迅速な意思決定が可能になり、資産価値の最大化を図りました。
② 売却代金の「家族会議」に基づいた分配設計
土地を売却した後の代金を、単にお父様の介護費用にするだけでなく、将来の相続税支払いへの充当や、他のご兄弟への公平な分配ルールをあらかじめ契約に盛り込みました。透明性を高めることで、将来の「争続」を未然に防ぐクッションを持たせました。
③ 税務面を見据えた「段階的承継」
いきなり全ての権利を移すのではなく、現時点では「管理権」のみを移し、お父様には「収益を受け取る権利(受益権)」を残すことで、多額の贈与税コストを抑えつつ、実質的な世代交代を実現するロードマップを示しました。
お客様の声
千歳の街がこれほど変わろうとしている中、父が判断力を失ってしまったら……と考えると恐怖でした。先生は法律の枠を超えて、今の地域の状況を踏まえた現実的な提案をしてくれました。おかげで父も『これなら長男に任せられる』と納得してくれました。家族全員、これで安心してこれからの地域の変化を見守ることができます。