事例の背景
A様は、長年千歳に住んでおられますが、一人息子のA様(長男)は自衛官として道外の駐屯地に勤務しています。A様(長男)は任務が忙しく、なかなか千歳に帰ることができません。しかし、お母様に認知症の兆候が見え始め、「もし母が家の中で倒れたら」「詐欺に遭って預金を使い果たされたら」と、遠く離れた地で気が気ではなかったそうです。
「母を施設に呼び寄せることも考えたが、母は千歳の友人を離れたくないと言う。せめて、お金の管理と実家の売却だけは、自分が遠隔でできるようにしておきたい」という決意。しかし、成年後見制度は手続きが重すぎると感じ、もっと柔軟に親を支えられる手段として「家族信託」を見つけ、お母様が元気なうちに手続きを進めようと当事務所へ依頼されました。
当事務所からのご提案
任務に忙しいお子様でも、負担なく運用できる「デジタル連携型信託」を提案しました。
① 「信託口口座」のネットバンキング活用
お母様の生活費や、千歳での雪かき業者の支払いなどを、長男様が駐屯地からスマホで決済できる仕組みを構築。通帳の記帳のために千歳に帰る必要をなくし、かつ、お母様の多額の預金が勝手に引き出されないよう「防犯の壁」を作りました。
② 実家の「緊急時売却」スキームの確立
お母様の体調が急変し、千歳の自宅を離れざるを得なくなった際、長男様が遠隔で不動産業者と契約を結べる権限を設定。千歳の不動産動向を踏まえ、空き家にして建物を傷める前に迅速に処分できるロードマップを作成しました。
③ 地元の福祉・司法書士による「多重見守り」
長男様が遠方にいる不安を埋めるため、当事務所が信託監督人として入り、千歳市内のケアマネジャーや地域包括支援センターと連携する体制を提案。法的な守りだけでなく、現場の「人の目」が届く環境をトータルで設計しました。
お客様の声
仕事柄、すぐには実家に駆けつけられないもどかしさがありました。先生に相談して、遠くにいても母の生活を支えられる仕組みができたことで、任務に集中できるようになりました。母も『息子に管理してもらっている』という安心感があるようです。千歳の特殊な事情や自衛官の生活スタイルまで理解してくれた先生に、心から感謝しています。