事例の背景
A様は岩見沢市内のご自宅で、知的障がいを持つ40代のご長男と二人で暮らされています。A様ご自身が健康なうちは良いのですが、最近は自身の物忘れも始まり、「もし自分が認知症になったり亡くなったりしたら、息子はこの家で暮らしていけるのか? 悪質な詐欺に遭って預金を使い果たしてしまわないか?」という強い不安に襲われていました。
成年後見制度も検討されましたが、後見人が付くと柔軟な財産運用が難しくなることや、毎月の報酬が発生し続けることに抵抗がありました。「信頼できる親族に、息子のために資産を守ってほしい。でも、その親族が勝手に使い込むのも防ぎたい」という葛藤。岩見沢の厳しい冬の管理を含め、複雑な家庭事情に寄り添ってくれるプロを求めて当事務所へ相談にいらっしゃいました。
当事務所からのご提案
お子様の生涯にわたる「住まい」と「お金」の確保を目的とした、福祉型信託を提案しました。
① 「受託者」への名義変更と、お子様の居住権の確保
A様のご自宅を受託者である甥御様の名義に信託登記しました。これにより、A様の没後も、障がいを持つご長男が「受益者」として、その自宅に住み続ける権利を法的に固定しました。岩見沢特有の雪害から家を守るための修繕や除雪手配も、受託者である甥御様が自身の判断で責任を持って行える体制を整えました。
② 生活費を「定額給付」する信託専用口座の活用
A様の現預金を「信託口口座」へ移し、甥御様が管理。ご長男の生活に必要な費用を、毎月決まった額だけご長男の口座へ振り込む、あるいは施設や業者へ直接支払う仕組みを構築しました。これにより、一度に多額の現金を渡すことで発生する「管理不全」や「浪費・搾取」のリスクを物理的に遮断しました。
③ 「信託監督人」による受託者の監視とサポート
甥御様が一人で責任を背負い込みすぎないよう、当事務所が「信託監督人」として就任しました。甥御様による金銭管理が適正かどうかを第三者の視点でチェックし、同時にお子様の福祉状況に合わせて信託契約の内容を微調整できるようサポート。親族と専門家が「二人三脚」で見守る体制を明文化しました。
お客様の声
私が一番恐れていたのは、私がいなくなった後に息子が路頭に迷うことでした。先生が作ってくれた信託の仕組みは、いわば息子に一生寄り添ってくれる『見えない財布』のようです。甥も、先生のバックアップがあるならと快く引き受けてくれました。岩見沢の冬を越す不安も、将来の不安も、ようやく手放すことができました。